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烏骨鶏の飼い方

こんにちは、桐生うこっけいファームです。

時折、烏骨鶏の飼い方や、飼料の購入先などにつきましてお問合せを頂きますので、こちらへ「まとめ」としてご案内させて頂きます。

まずは、烏骨鶏の「食べ物」についてです。
家の残飯や、市販の配合飼料・・・を使うという考え方もあり、全否定はいたしませんが、自分が「鶏」になったと仮定して、毎日「どんな物を食べたいか」と、考えてみますと正解が出るような気がしてなりません。

当農園では下記のような穀物などを、下記のようなルートから購入して、鶏に与えています。


(1)トウモロコシ(飼料の世界ではメイズと呼びます)や、混合穀物など

下記のサイトより購入しています。
もともとは「レース鳩」用の高級飼料の商社様ですが、無添加で品質が良いので、ここ数年はずっと購入しています。
遺伝子組換えか否かは、その都度にお店へ確認すると良いと思います。

http://racebato.a.la9.jp/sesa.htm

http://racebato.a.la9.jp/sesa2.htm


また、下記サイトでも単品飼料を購入しております。

http://pigeon.waguri.net/grain/

なお、メイズは基本的に機械で粉砕して与えています。
電動の「製粉機」は意外に高価ですので、私どもでは「中古の大型コーヒーミル」を数千円で購入し、それの内部をよく清掃して(コーヒーは鶏に有害なので)、使用しています。


(2)玄米
以上のサイトから購入した、スポーツレーシング、大粒メイズ、大麦、マイロ、などの穀物に、さらに「無農薬または減農薬のクズ玄米(粒が小さい人が食べない玄米)」を3割~4割混ぜています。
配合比率は、一概には決められず、季節や、鶏の年齢、産卵状況などに応じて、工夫してブレンドしています。

「無農薬または減農薬のクズ玄米」は、ネットオークションなどで購入しています。
クズ米は売り出される時季が、新米の出る10~11月頃が多く、その後は少なくなりますので、一度購入したら、売り主と交渉し、年間分を予約確保するようにしたりしています。


(3)カルシウム源
また、さらに卵の殻を作るカルシウム源として下記のような「天然貝化石」(有機石灰)をブレンドしています。
卵を生む年齢や時季により量を調節します。
さらに鶏舎内には、別容器で「貝化石」を置いて置き、鶏が自分で食べる量を調節できるようにしています。

http://tamagoya.ocnk.net/product/244

貝化石は、カキガラ石灰などの名前で、大きなホームセンターであれば、園芸コーナーで20kg位で600~900円位で売られている事もあります。


(4)野菜など
生野菜は、運動場の雑草や、自家菜園の小松菜や大根葉を与えています。
冬などで雑草や自家野菜が少なくなる季節は、市販品のクズ野菜をよく水洗いしてから与えています。
なお、鳥類が食べると危険な野菜やフルーツが下記のサイトなどで紹介されています。

http://budgerigarden.web.fc2.com/bad_f.html

http://www.avian.jp/bird3.htm


(5)危険物など
鶏の運動場には、ペンキや化学薬品、殺虫剤や除草剤、シャンプーや台所洗剤などは一切置かないようにして下さい。鶏は何でも興味を持ち、知らないうちについばんだりしてしまい、中毒で死んでしまいます。
ペンキの微細な破片や、ビニール袋、ビニールヒモ、釘、なども、飲み込むと非常に危険で、死んでしまう事があります。
また、鶏の抜け羽もこまめに掃除して下さい。
万一、食べてしまうと胸にある「そのう」が詰まって、食べ物が溜まりパンパンに膨れ、死んでしまう事があります。


(6)外敵など
鶏の放し飼いの運動中は、常に人が近くにいないと危険です。
犬は、簡単な囲いなど平気で壊して侵入して鶏を襲いますし、猫は高い塀や屋根、植木づたいにやって来て鶏を襲います。
カラスや鷹なども鶏を襲いますし、蛇やイタチも鶏を襲います。
鶏が騒いだら、すぐに見に行ける距離にいない限り、鶏の放し飼いは非常にリスクが大きいです。

鶏小屋も、できれば緑色の安い亀甲金網より、丈夫なステンレス金網で覆うと良いです。
緑色の安い金網は、野生のイタチや大型の犬ですと、簡単に食い破ってしまいます。
また、イタチや犬は、鶏小屋の下の地面を掘って、もぐらのように鶏小屋に侵入しますので、地面の部分にも金網を敷いてその上に土をかけたりして、外敵の下からの侵入にも気をつけると良いと思います。

また、子供のイタズラなどを防ぐ意味で、鶏小屋の扉には必ず鍵をかけます。
あと、夏は涼しいように日よけの小屋に「スダレ」をかけたり、冬は暖かいように古い毛布や温室用ビニールなどで小屋の開放面を覆い、冷たい風の侵入を防ぐようにすると良いかもしれません。


まずは、以上ですが、少しでもお役に立てれば幸いです。
ぜひ素敵な烏骨鶏ライフとなりますことを心よりお祈りしております。


 
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鶏にとっての危険因子

以前に書いた記事ですが、去年2011年10月に、当ファームでも一番目立って可愛かったモコモコのメス烏骨鶏「シロクチ」が当然に落命しました。

非常に活発で、最も食欲も旺盛、一番体も大きく、人に馴れて愛嬌もあり、一番元気が良かった鶏で、まだ3歳と3ヶ月弱という若さにも関わらず、少し元気がないなと思う日が二週間位続いた後、ある朝に止まり木で動かずうずくまっており、そのままわずか数時間で突然の死、あまりにも悲しい落命でした。

外見は何の異常もなく、咳や嘔吐や下痢もなく、体重もさほど減っておらず・・・まったく原因不明のまま悲嘆に暮れた数ヶ月が経過しました。

しかし、その後、敷地内の大掃除をした際に、どうもおそらくはこれが原因ではないかと思われる危険物が発見されました。

それは・・・・
なんとも、予想のできなかった、恐ろしく忌々しい物なのですが、

「はがれた古いペンキ」でした。

実は、鶏舎と運動場入口の間には、2mほどの距離があります。
朝に運動場へ出す際は鶏は、皆、我先にとまっしぐらに運動場へ入るので何の問題もないのですが、しかし、夕方に運動場から鶏舎へ戻る際は、一羽一羽が思い思いのペースでバラバラに戻って来ます。

その時、まっすぐに鶏舎へと戻らず、フラフラと関係のない方へトコトコと歩いて行ってしまう鶏が出る事があるのです。

もちろんすぐに追い立てて、鶏舎へ向かわせますが、たまたま目を離した隙などにちょっと遠くまで行ってしまう鶏が出たりします。

中でも「シロクチ」は、一番好奇心が旺盛で、何にでも興味を持ち、ここをチャンスとばかりに、しょっちゅうあちこち遠くまで冒険していました。
むしろそんな光景をほほえましく思えていたのですが、ただ、つかまえて鶏舎へ戻すまでの間、「何か」をついばんで食べたりしている事はよくありました。

それは大抵の場合、ただの雑草だったり、小虫だったり、小石だったりで何の問題もなかったのですが・・・・。

しかし先日、よくシロクチが遠出していた辺りの地面を見てみたところ、何かの小さな小さな破片が沢山落ちている事に気付いたのです。

拾い上げてよく見てみると、それは、何と、「古いペンキの破片」でした。

上を見上げると、トタン屋根に塗られた古いペンキが、長年の経年劣化でところどころ細かくひび割れて捲り上がり、下の地面に落ちていたのです。

そのペンキの破片は、数ミリ四方の薄い破片ですが、ちょうど「貝殻の破片」のような硬さと薄さをしていて、おそらくは鶏から見れば、貝殻のように見えてしまうはずです。

メス鶏は、丈夫な卵を産むために、カルシウム豊富な貝殻を好んで食べる習性があります。

しかし、ペンキ、特に昔の古いペンキには「鉛」を始め、有害な重金属の類が沢山含まれています。
その屋根は、ここ数十年の間に何回も塗り直され、何回も塗り重ねられて来た屋根のため、はがれたペンキを見ると、厚く三層位に色が重なっていました・・・・。


数十年も前のペンキには、かなり強い毒性のある物質が含まれている危険性があります。

あそらくは、本当に残念で、あまりにも悔やまれてなりませんが、シロクチはこの落ちたペンキの破片を貝殻と間違えて、何回かにわたり、誤食してしまったような気がしてなりません。

その結果、徐々に体調不良となり、最期の日の前日は、おそらくかなり大きな破片を、かなりの枚数食べてしまったのではないかと思います。

今思えば、うずくまって目を硬く閉じハァハアと息荒く苦しむ様子は、まさしく何かの毒物による「中毒症状」そのものでした。

もともと、ケガや病死には見えなかった事から、何かの中毒を疑ったのですが、同じエサ、同じ水、同じ空気で育てている他の多くの鶏はすべて元気でしたので、原因が判らず、死因は不明のままでした。

しかし、離れた場所にある屋根から落ちた古いペンキの誤食が原因と考えると、そこへ出歩いていたシロクチだけが落命した事もあり、実にすべてのつじつまが合う気がします。

そして、その古い屋根ですが、今まで目立ってペンキが剥がれるような事はなかったのですが、どうも去年の夏の異常な「猛暑」が原因のようです。
つまり、異常なほどギラギラの太陽光で熱く加熱された金属製のトタンが大きく伸び、表面のペンキがその伸びについて行けず一気に剥離してしまったようです。
そして、その剥離したペンキが夏の夕立などの強い雨に打たれて叩き落とされたり、強風に吹かれて舞うような形で、一斉に地面に落ちて来たようです。

そう考えると、それから間もなくの初秋の10月上旬に、シロクチが中毒を起こしてしまった事もタイミング的に一致します。

もちろん、今は落ちていたペンキは全て念入りに掃除して取り除きました。
しかし、また今年の夏の猛暑で、新たに剥離する危険があります。
そのため烏骨鶏がその屋根の下へ行けないように、囲いを変更しました。

それにしても、普通のはずの身の回りのものが、一体、何が、いつ、どんな形で、凶器に変身するか全く判ったものではありません・・・。

輪ゴム、ビニール紐、釘やネジ、包装材、ガラス片、農薬、除草剤、殺虫剤、ペンキ・・・・などなど、
くれぐれも鶏の目に付く所や歩き回る範囲には、一切置かない事が何より肝要です。

メス鶏は、地面に落ちているものは、何でも興味を持ち、すぐ口にします。
鶏を飼われている皆さんはくれぐれもご用心下さい。



また、つい先日も、別な鶏ですが、メス烏骨鶏「ピース」が「そのう」に何かを詰まらせてしまい、
非常に悲しい事ですが大変残念ながら落命してしまいました。


烏骨鶏「ピース」

春の若草の敷地を散歩する「ピース」です。
シロクチと同じ位にモコモコで、人にも良く馴れ、頭もとても良く、本当に可愛いメス烏骨鶏でした。

3歳と9カ月でした。


烏骨鶏そのう詰まり

ある朝、止まり木に止まったまま、ただただじっとうずくまって動かなくなっていました。

何か大きな物を飲み込んでしまい、「そのう」から「胃」へ続く管が詰まってしまったのです。
「そのう」とは鶏の喉の奥にあり、食べたエサを一時的に溜めておく場所です。

そのため、その後に食べたエサが移動できず、胸の少し上を触ると「そのう」がエサでパンパンに大きく膨らんでいました。

こうなるともうエサも食べられず、水も飲めなくなってしまいます。


鶏のそのう炎

そのうにエサは沢山ありますが、そのエサがまったく胃に落ちて行かないため、「絶食」しているのと全く同じ状態です。
だんだんと元気がなくなり、本当に残念ですが絶命してしまいました。

抜けた鶏の羽、長くて大きな硬い草、キッチンラップ、ビニールの切れ端、などを食べてしまうと「そのう」に詰まり、そのうの出口を塞いでしまう事があるのです。

今回は、おそらくですが・・・他の鶏の「抜けた羽」を飲み込んでしまったような気がします。
大きな羽がそのうの出口を塞ぎ、消化管への道が詰まってしまったのでしょう。


鶏そのう病気

胸の少し上の辺りが、写真でもやや膨らんで見えます。
触るとピンポン玉位の塊りがあり、溜まったエサなのでやや硬めにグニグニします。

治療としては、塩水を飲ませてエサをすべて吐かせたり、長くて細いスプーン等で詰まりを排出するか、切開手術で詰まりを取るなどになります。
ただ、非常に残念ながら「ピース」の場合は、そのうの詰まりに気付くのが遅れてしまい、これらの荒療治を行うことが体力的にもう難しい状態でした。

体力の落ちた鶏は、無理に荒療治をすると、そのストレスで死んでしまう事もあります。


ちなみに「そのう詰まり」は、いわゆる「そのう炎」とは別です。
「そのう炎」は食べたエサが腐敗してそのうが炎症を起こした状態です。
この場合は鶏は盛んにあくびしたり、吐いたりします。

人間の食べるスナック菓子や惣菜などを与えると「そのう」で腐敗しやすい危険があります。
野菜やフルーツなどの中には、鶏にとって猛毒となる非常に危険なものもあります。


鶏にとって、人間の作ったものや人間が食べるものは、危険がいっぱいです。
人間から見たら、何でもないような事や、美味しい食べ物も、小さな鶏の命を簡単に奪ってしまう事があります。

重ねて申し上げますが、鶏を飼われている皆さんは、これら日常の中に潜む「危険因子」にくれぐれもご用心下さい。
事故で残念な落命をしてしまった鶏達の命を無駄にしないためにも、ここに書かせて頂きました。



烏骨鶏の換羽

もう2ヶ月近く前になりますが、3月の上旬に当農園のメス烏骨鶏のうちの一羽が「換羽」しました。
「換羽」とは、鶏の羽が自主的に抜け落ちて、生え変わることです。

普通は、鶏の産卵、抱卵、ヒナ誕生、育児終了・・・の後で「換羽」になると言われています。
この鶏は、特に抱卵等をしていたわけではないのですが、換羽になりました。


換羽の烏骨鶏1

普通、徐々に羽が抜けて行くのですが、なぜかこの鶏は、
かなり大規模に一斉に体中の多くの羽が抜けてしまいました。

これほど一斉に抜けてしまうのは珍しいです。


換羽の烏骨鶏2

しかも、時季は3月の初旬・・・。
春とは言えまだまだ寒く、夜は外気温は3~4℃まで下がります。


換羽の烏骨鶏3

そのため、この鶏は、寒さに凍えないよう夜間は自主的に産卵箱の中へ非難していました。
しかし、それでも3~4℃まで下がる夜間の寒さでは厳しいでしょう。


換羽の烏骨鶏4

また、羽がない姿が目立つのか、周囲からいじめられがちで、常にオドオドしています。
そのため餌もあまり食べられない様子。

後ろに見える烏骨鶏のモコモコフワフワぶりとは大違い。


換羽の烏骨鶏5

隣の烏骨鶏と比較しても「羽の無さ」が良く判ります。
これでは寒いはずです。

万一のことを心配して、羽が生え揃うまで、冷え込む夜間はダンボール箱に鶏を入れ、電気あんかも入れて、家の中に置いて保温する事にしました。
暖かいシーズンならまだしも、ここまで羽が抜けて地肌が見えてしまうと、まだまだ寒く零度近くまで下がる3月初旬の夜の気温では命にかかわります。


換羽の烏骨鶏6

消灯前に、ダンボール箱の中で餌と水を与えると・・・食べる、食べる、飲む、飲む。
やはり、鶏舎の中ではろくに食事がとれなかったようです。


換羽の烏骨鶏7

この鶏は、上記の鶏とは別な鶏ですが、頭と喉の部分だけが「換羽」しています。
この位なら保温性は失われず、寒さにも耐えられるのですが。


換羽の烏骨鶏8

無数の「トゲ」のような形で、新しい羽が生え始めているのが判ります。
このトゲといいますか、樹脂製のようなカプセル状?ストロー状?のものに、新しい羽がぎっしりと詰まっています。


換羽の烏骨鶏9

しばらくすると、そのカプセル?ストロー?のようなものが砕けて、中で束ねられていたフワフワの羽が出てきて広がるのです。
新しい羽はまるでビロードのような繊細で滑らかな手触りです。

翼の大きな羽もほとんど抜けてしまっていて、1~2枚しか残っていません。
この大きな翼が生えそろうまでには、まだかなりの時間がかかりそうです。


換羽の烏骨鶏10

上の写真から約10日後です。
この間、毎日、夜間はダンボール箱に入れて保温していました。

だいぶ、羽が生えてきました。


換羽の烏骨鶏11

体は七割くらい生えそろいましたが、
まだ、翼の大きな羽が生えていません。

念のため、もう数日ほど夜間の保温を継続しました。


その後、4月末の現在は、
すっかり羽がきれいに生えそろい、とても元気で餌も良く食べています。



 

落命した烏骨鶏

今日、9月17日、
当農園の一羽のメス烏骨鶏が落命しました。

今日は卵の出荷日で、普段なら朝に烏骨鶏は全て運動場へ放すのですが、運悪く他のスタッフも大事な用件で外出中で、しかたなく烏骨鶏は鶏舎に入れたまま朝のエサやりだけして、出荷のルート配送へ出ました。

午前中には戻れる予定だったのですが、少々の買い物などもしたせいで、農園に戻ったのは昼の12時少し過ぎた頃。
天気は雲が多いものの、その合い間から陽が射しており、鶏舎の中の烏骨鶏はスタッフの姿を見るや否や「出せ出せ」の大合唱です。

すぐに鶏舎の扉を開けると、烏骨鶏達は我先にと重なり合うように、あるものは勢い良くバタバタと羽ばたきながら、あるものはおどけるように蛇行して左右に走り回りながら、喜び勇んで一団となって外へ飛び出して行きました。
その様子は、まるで小学校低学年の子供を海水浴や遊園地へ連れて行って、「さあ、めいっぱい泳いで(遊んで)おいで」と言われた時の嬉しさで弾ける子供の様子とそっくりです。

ところが、一羽だけ鶏舎の隅に残っている烏骨鶏がいました。

何をしているのかと様子を見ると、くちばしを地面に付けてフラフラよろめいています。
「地面の虫でも食べているのかな?」と思っていたら、その場にうずくまって動かなくなってしまいました。

「産卵するのかな?でも産卵の体勢とは違うな。フラフラしてるし・・・」と思っていたら、
体の羽毛を風船のように丸く膨らませて座り込み、両側の翼はダラリと力なく大きく垂れ下がり始めました。

この時点で、初めて事態の緊急度に気付きました。
これは、怪我や病気で死にそうな状態の鶏に特有の症状だからです。

すぐに抱きかかえると、鶏は既に思っている以上に深刻な状態で、目を強く閉じてハアハア言っており、いかにも苦しそうな表情です。
体にまったく力が入らず、羽や足はダラリと下がり、すでに危篤に近い状態でした。

しかし、原因が全く判りません。
原因が判らなければ、対処や治療法が判りません。

すぐに動物病院へ連れて行こうかと思ったのですが、過去にも烏骨鶏の怪我で動物病院を探した事があるのですが、車で一時間以内の病院に十軒ほど電話したものの、そのほとんどは犬や猫や小鳥しか扱ってくれず、ニワトリを診てくれる病院は一軒だけしかありませんでした。

その時はそこへ連れて行ったのですが、たった1分ほど軽く触診しただけで後は何もしてくれず、高額な料金だけ取られました。その際にかなりの不信感を持たされました。
それに、いま運動場へ出したばかりの他の烏骨鶏達は、運動する気が満々ですから容易には鶏舎へ戻りません。
それをすべて鶏舎へ仕舞ってから出かけるとなると、病院へ着くまでに一時間以上はかかりそうです。

今の危篤状態からすると、すぐに何か手当てをしなければ、一時間はおそらく持たないでしょう。
仕方なく、自宅のエアコンの効いた涼しい部屋へ移し、段ボール箱にタオルを敷いて寝かせ、水を与えましたが全く飲もうともせず、ますます苦しそうにしています。
首をめいっぱい伸ばして口を開け、「ウオェー」と何かを吐き出そうとしていますが、吐き出せないので苦しいという様子に見えます。

そこで、当農園の定番の万能薬として重宝している「ブラジル産プロポリス」を与えてみました。
過去、人間はもちろん、数々の烏骨鶏の怪我や病気に効果を示してきた優れものです。

烏骨鶏をタオルにくるみ、抱きかかえ、口を開かせてスポイトで1ccほど飲ませてみます。
しかし、その刺激の強い味に烏骨鶏は激しく暴れて、半分近くは吐き出されてしまいました。

原因を考えてみますが、つい二時間前まではなんともなかった訳ですから、この急激な劇症ぶりは病気とは考えにくいです。
何か異物を飲み込んだのか、それとも鶏舎内で止まり木等で腹などを打ち内臓が出血している可能性が考えられます。
もし異物なら胃が膨れているかもと思い、触診してみますが、胃はそこそこ膨れているものの硬い異物感は感じられません。

10分ほど寝かせてみましたが、さらに首をうなだれてしまい、一層目を強く閉じて苦しそうに顔をゆがませています。
そこでもう一度プロポリスを追加で2ccほど飲ませてみました。
今度は、既にもう力なくぐったりしているため、抵抗せずに飲ませることが出来ましたが・・・反応がほとんどありません。

さらに5分ほど抱きかかえて体をさすって声をかけてあげていましたが、もう首が力なくグラグラしてしまい、呼吸も絶え絶えです。完全な危篤状態です。

最後に、蜘蛛の糸をつかむ思いで三度目のプロポリスを飲ませようと、抱きかかえていた烏骨鶏の向きを変えようとしたところ、最期の力をふりしぼるかのように足を弱々しく二度ほどつっぱり、苦しそうにか細く鳴いたかと思うと・・・・そのまま動かなくなってしまいました。

大声で呼んだり、体をゆすったりしても、もう目を開けることもなく、羽や足が動くこともなくなりました。



本当に残念です。

養鶏をしていて、鶏が死ぬほど嫌な事はありません。



それにしても原因が判りません。
昨日まで元気いっぱいでしたし、今日も二時間前までなんの異常もありませんでした。

もし何かの病気だとしたら発症から死亡までがあまりにも急激過ぎます。
それに一緒に暮らしている他の烏骨鶏達には全く異常が見られず、普段どおりに元気すぎるほど元気にしています。
また、最初にプロポリスを与えた際に、暴れた弾みで糞をしたのですが、その糞は黒に近いこげ茶色できちんと固形状の完全に正常な糞でした。下痢糞や血糞ではありません。
念のため鶏舎の地面もすべてチェックしましたが、下痢糞や血糞は全くありませんでした。
顔もよくチェックしましたが、病的な涙や鼻水や涎も一切出ていませんでしたし、トサカや足もきれいで、肉も程よく付き、体重もしっかりとありました。
胃がそこそこ良く膨れていた事からも、直前までエサも元気に良く食べていたはずです。
ですから、少なくとも病死ではないと思います。

また、メスは鶏舎内でオスに追いかけられたり、メス同士の小競り合いで、走り回ったり、止まり木から飛び降りる際に、エサ箱や産卵箱の角に体をぶつけることがあります。
特に、体重のあるオス同士の喧嘩に巻き込まれ、勢い良く飛び跳ねたオスの下敷きになり、強く産卵箱の角などに柔らかいお腹がぶつかれば内臓は大きなダメージを受ける危険があります。
プロポリスを吐き出した際、吐血はありませんでしたが、肝臓などを損傷した場合は、吐血もないでしょうから、やはり内臓破裂の可能性は考えられます。
腹部を触ってもひどい骨折のような症状は見当たりませんでしたが、骨折しなくても内臓が深刻なダメージを受けてしまうケースはありえます。

また「異物を飲み込んだ」という可能性も強く疑われます。
鶏舎内は、ネズミ等が侵入しないよう壁と金網と屋根で完全に覆われていますので、外から異物が入り込む事は考えにくいのですが、運動場は網に囲われているだけで、屋根はありません。
また、広いうえに自然の地形のため完全に清掃できるとは限りません。

実際に、時々、運動場にいる烏骨鶏の口から何かがぶらさがっていると思うと、皮ひもの切れ端や、切れた輪ゴムが口からぶらさがっている事があります。
特に今回、10日ほど前の台風の強風でさまざまな小物が飛んできていたため、その中に何か危険なものがあったのかも知れません。
特に食べ物を包んでいたキッチンラップなどは、軽くて風に舞いやすいうえ、鶏は食べ物の味がするので飲み込んでしまいますが、消化されず腸をふさいでしまうため、非常に危険です。
もしかしたら、何日か前にラップ類か何かを飲み込んでいたのかも知れません。
飲み込んですぐなら吐かせる事もできたかと思いますが・・・・。

ただ、今回は胃がそこそこ膨らんでいた事から、直前までよくエサを食べていた(食欲があった)事から、胃腸の調子は良かったのだと思います。
ですから、やはり何かのトラブルで鶏舎内の硬い物に強くぶつかり、内蔵を損傷してしまった可能性が一番強く疑われます。
すぐに明日、鶏舎内の危険そうな箇所に緩衝材を設置したいと思います。


いずれにしても危篤状態でいるのを見つけてから、わずか30分ほどで落命してしまいました。
もう少し早く帰って来ていればと、強く悔やまれてなりません。
本当に残念です・・・・。


実は、このメスの烏骨鶏は、
特別な思い入れのある烏骨鶏でしたので、ショックも計り知れません。

2008年9月生まれですから、今月でちょうど三歳でした。
まだ三歳です。人間の女性で言えば20代半ば頃でしょう。

この烏骨鶏、実はちょうど1年前に、大きな怪我をしてしまい、流血もあり、もう少しで命を落とすところだったのです。
その時はすぐに発見し、すぐに傷口を手当てしてプロポリスを塗り、包帯で止血、室内に移しタオルを敷いた段ボール箱に入れて保温。
栄養価の特別に高い流動食を与え続けて、なんとか一週間ほどで無事に回復し、鶏舎へ戻る事が出来たのです。
その一週間ほどは、夜に何かあるといけないと思い、夜は段ボール箱を寝室に移し、すぐ横で寝ました。

烏骨鶏も頭が良いのか、普段なら一箇所にじっとしているのは非常に苦手なのですが、自分が大怪我をしていると良く判っているようで、まるで冬眠でもしているかの如く、段ボール箱の中で延々とジーッと動かずにいたのがとても印象的でした。

傷も回復して鶏舎に戻す際に、予後の経過を見るために、両方の翼と背中にマジックペンで小さく「紫色」のマークを付けました。
それからこの烏骨鶏の名前は「紫」(パープル)になりました。

仲間の中に戻ってからも、自分なりに大事をとっていたのかしばらくはとても大人しく消極的にしていたのですが、一週間もすると、自分で「もう大丈夫」と確信したのか、今までの数倍のエネルギーを発散して超ポジティブ元気な烏骨鶏に大変身したのです。
その大変身ぶりにスタッフ一堂が非常に驚きました。

運動場にオヤツのコーンや野菜を持っていくと、昔なら遠い場所にいてあまり存在の目立たない烏骨鶏だったのですが、回復後はぐいぐいと前に出て来て、必ず最前列に陣取るようになり、さらに一歩も二歩も積極的に前に出て来て、真っ先にエサを奪い取ります。
他のメスが手を出そうとすると、つっいて追い払ったり、すかさず横取りしたり、あちこち活発に飛び回り、どこでも元気に走り回り、それはもう本当に絶好調の大活躍。
いつしか農園内で一番目立つメス鶏になりました。

その、まさに生まれ変わったような、まるで別の鶏になったかのような、他の烏骨鶏の数倍のエネルギーを発散する超ポジティブ元気な躍動感ある鶏への変身ぶりは、まさに「死を目前にして助かった命、大切にしなきゃね!今まで以上に毎日元気でワクワク生きるよ!」と言っているようでした。

また、スタッフの顔を見ると、すぐに近づいてきて周囲をクルクル回ったり、足元へ寄り添ったりと非常に懐いてくれるようになりました。
それはまるで「ほら、見て見て、おかげでこんなに元気になったよー!」と報告してくれているかのようでした。


動かなくなってしまったパープル、すぐに心臓マッサージをしました。
大きな声で呼びかけながら・・・・。

しかし、本当に残念ですが、もう二度と目を開ける事はありませんでした。


そのまま段ボール箱に静かに寝かせ、お線香を一本だけ立てて20分ほど悲嘆にくれた後、包んでいたタオルを外そうとパープルを手に取ると、既に死後硬直が始まっていました。

横向きに寝かせていため箱の壁で首が曲がり、足も左右に開いた状態です。
そのような姿勢で硬直してしまっては、埋葬する時にも形が良くないですし、天国へ行ってからも何かと不便です。

そのため、首の向きを直そうと、背中を持って首を動かした途端、
「クック~~ッ」と小さな鳴き声が。

えっ!まだ生きているの!?
と一瞬非常に驚きました。

しかし、既に明らかに体は温かさを失い始めていますし、生きていた時の体の柔らかさもなくなり硬直が始まってしまっています。
すぐに、その鳴き声は背中を持って首を動かしたため、肺の中に溜まっていた空気が押し出され、声帯を振るわせたためと理解しました。

しかし、私にはまるでパープルが「さようなら・・・」と言っているように聞こえました。

涙があふれて来ました。
私も「さようなら」と、心の限り挨拶を返しました。


そして左右に開いたままの足を閉じようと、持つ手に再び力を入れると、再び、
「クゥ、ク~~ゥ」と鳴き声がしたのです。

その声は、まるで「今まで、本当にありがとう」と言ってくれているように聞こえました。
おそらく、本当にそう言ってくれていたのだと思います。

もう涙が止まりません。
私も「こちらこそ、美味しい卵をたくさん産んでくれて今まで本当にありがとう。これからは天国でゆっくり幸せに暮らしてね。」と、両腕でパープルを抱きしめて、心の限り挨拶を返しました。


姿勢を整えたパープルを箱に戻すと、まるで生きているようにしか見えません。
ただ大人しく座って、静かに休んでいるだけのようにしか見えないのです。


しかし、確実に、一羽のメス烏骨鶏が三年の寿命を全うして、

今日、天国へと旅立ちました。


明日、大好物だったスイートコーンと小松菜を添えて、

先立った仲間達の待つ場所へ埋葬してあげたいと思います。





ちなみに当園では鶏が歳を取って卵を産まなくなっても処分して肉にする事は一切していません。
また、過去に未熟児や事故で死んだ鶏はいますが、病死した鶏は一羽もいません。
すべて自然死です。そしてすべて土葬にしています。

鶏はもちろん家禽(家畜)として飼っている訳ですが、毎日触れ合っているうちに、中には単なる家禽の枠を超えて人間と意思や気持ちが通じ合うかのような、愛着の湧く素晴らしい鶏がいる事も事実なのです。

パープルは、間違いなくそんな素晴らしい鶏の中の一羽でした。


 

鶏のオスメスの見分け方

まれに「ヒヨコのオスメスの見分け方を教えて下さい」と尋ねられる事があります。
沢山の鶏を飼っているので判るはずと思われるようです。

ですが、大変恐縮なのですが答えは「残念ながら判りません」となります。

鶏種によってはヒヨコの時からオスメスで「羽の色」が異なったり(カラー鑑別法)、ヒヨコの羽毛の伸びの早い遅いの性質を利用して鑑別(羽毛鑑別法)する方法もあるようですが、一般には、ヒヨコの肛門を開いて生殖突起を調べる事で鑑別するようです。

しかし、そのための「初生雛鑑別師」という国家資格が存在するほど、生まれたばかりのヒナの雌雄の見分けは、とても難しい専門の高等技能なのです。


生まれたばかりの烏骨鶏のヒヨコ

ですので、大変残念ながら当農園でも生まれてから1~2ヶ月位のヒヨコのオスメスは全く判りません。
一般には、2ヶ月目になりますと、「トサカが大きくなり始めた」とか「尾羽が伸び始めた」とか「威嚇やケンカを始めた」などを理由に、オスであると断定しようとする方がいらっしゃいますが、2ヶ月目位のヒナではまだまだ「ダマシ」があり得ます。

つまり「オスだと思ったら実はメスだった」「メスに見えたがその後にオスと判明した」というケースです。
メスでも個体差によっては妙にトサカや尾羽の大きい鶏がいますし、この頃のメスはオスと同じように威嚇やケンカをします。

ですので、もしオスやメスを指定して鶏を譲渡したりされたりする場合、2ヶ月位までのヒナの場合はかなり要注意です。
実際にメスのはずが大きくなったらオスだったというケース(その逆も)は時折耳にします。


ウコッケイのひよこ

むしろ2ヶ月目位ですと、外見よりも「エサの食べ方」で判断する方が良く当たります。
エサを持って行くと真っ先に争って駆け寄って来て、エサを奪い合って猛然とものすごい勢いで食べる鶏は大抵「オス」である事が多いです。
おそらく他の鶏よりも少しでも多く食べて、少しでも早く体を大きくして、いち早く自分が「ボスの座」に着きたいという強い競争本能が働いているのでしょう。

実際、一旦ボスの座に着けばエサを独占でき、さらに磐石にボスの座を維持し続けることが出来ますので、ヒヨコの時に、他の鶏より少しでも多くエサを食べて「一番早く体を大きくすること」がとても肝心であると良く判っているのでしょう。

逆にこの頃のメスは実にのんびりとしていて、エサの奪い合いには参加しようとせず遠巻きにしてエサ箱が空くのを待っている感じの鶏が多いです。


うこっけいのヒヨコ

ちなみに、生まれて数日のヒヨコで、なぜかほとんどエサを食べないヒヨコが出る時があります。
または他のヒヨコの数分の一以下の量を細々と食べる程度で明らかに体が小さかったり脚がヨロヨロしているヒヨコです。
あくまで当農園の場合ですが、そういうエサの食いが悪いヒヨコも大抵が「メス」でした。

こういうヒナを前にして「そのうちお腹が空けば自然と食べるはず」と考えるのは大間違いで、非常に危険です。
また、一羽だけ他の小屋に隔離しても無駄で、やはり食べないだけです。
そのままでは衰弱して死んでしまったり、成長しても体が小さいままで他の鶏のイジメの標的になったりしてしまいます。

そういう弱いヒナは、他のモリモリ食べている元気なヒナのクチバシの横にくっついて残ったエサ粒を、なぜかチョコチョコついばんで食べたりしています。
どうやら野鳥のように親鳥から「口移しのエサの世話」をされないと食べられない習性が隔世遺伝的に出てしまっているヒナのような気がします。
実際、烏骨鶏のような孵化本能が強く残っている鶏では考えられなくはないと思います。

また、そういう育ちの悪い弱いヒナに限って「非常に偏食」傾向が強く、たまに食べているように見えても、甘いエサや柔らかいエサばかりを選んで食べたりしています。その結果、ますます成長が遅く、骨格が弱くなります。

ですので、万一エサの食いが悪いヒナがいたら、スポイトに豆腐やヨーグルト等の流動食を詰めてヒヨコの口に流し込み、強制的にエサを食べさせるようにしています。
強制給餌の最初は、ヒナがすごく暴れたり、悲痛に泣き叫んだりして、かなり嫌がりますが、この初期ヒナの時に心を鬼にしてしっかり食べさせないとその後に十分に成長できなくなり、死んでしまったり、もし育っても体の弱い鶏や小さい鶏になり、脚が曲がったり群れに入れなかったりして、鶏にとってはかなり不幸なことなのです。

甘やかしと愛情とはまったくの別物ですので、ヒナが嫌がってもしっかり強制して食べさせるべきです。
ただし、食べ物が間違って気管に入らないよう注意が必要です。
鶏の気管は、舌の「付け根」付近にありますので、エサは出来る限り喉の奥の方へ流し込みます。
あまり喉の浅い位置にエサを流し込むと気管が詰まり窒息して死んでしまいますので「要注意」です。

また、手で強く押さえ付けるとストレスで死んでしまう可能性もありますので、柔らかなタオルなどでヒヨコをグルリと優しく巻いて包んで、羽を広げられないようにし、できれば誰かに鶏をかかえてもらい、二人がかりでやると良いと思います。

実際、そのうち慣れてきて、一ヶ月くらい強制給餌を続けると他のヒナと同じように食べられるようになる事が多いです。

当ファームでは、下記のスドー社製のフードポンプを使っています。
この製品は、先端が柔らかくて鶏の喉を傷付けにくく、すごく良い品です。
http://www.birdmore-ec.com/SHOP/9990934.html

中身は、絹こし豆腐やヨーグルトをよく混ぜて塊りをつぶし、そのままでは粘度が高すぎて喉に詰まるおそれがありますので、少し水で薄めてユルユルにします。
また、冷たいまま鶏にあげると、下痢をしたり体温を低下させたりして危険ですので、電子レンジで「ほんのり」する程度に温めてからフードポンプに充填し、少しずつ鶏の喉の奥に流し込みます。

また、あまり長くポンプを入れていると呼吸ができませんので、4~5秒入れたら、一度抜いて少し休み、何回かに分けて一定量を食べさせます。

すべてのヒナを同一の大きさに揃えながら育てる事こそが「プロの技」であり、発育の悪い小さい鶏を一羽も出さないことが放し飼いの養鶏を営む上での非常に大切なポイントなのです。


生後二日で何とも凛々しい顔立ちのヒナ

さて、3ヶ月を過ぎると、そろそろメスは体の大きさの発育スピードが鈍化しますが、逆にオスはこの頃から一気にスピードアップして更にどんどん大きくなり、メスより大体2回りは大きくなります。
この頃になれば、鶏を見慣れている方であれば、かなりの確率でオスかメスかを正確に判別できるようになります。
特にトサカの大きな鶏種(チャボなど)の場合は、この頃にはトサカの大きさでほぼ正確な判別が可能です。

さらに4ヶ月頃になりますと、体の大きさだけでなく、オスは肩幅がグッと広くなり、全体にガッシリと筋肉質になります。そして足指や爪も大きくなり、トサカも明らかに肥大し、顔付きも険しく鋭い感じになります。
またオス同士で盛んにケンカをするようになり、群れの中での順位付けが始まります。

オスに比べると、メスは小柄な上に全体が丸く、体が柔らかく、足や指もこじんまりとしています。顔付きも和やかで可愛い感じです。
この頃にはオスメスの体格差や特徴が非常に顕著になりますので、トサカの小さな鶏種でも素人の方でもかなり正確にオスメスが鑑別できるようになります。


当養鶏ファームの主役達

さらに5~6ヶ月頃になりますと、いよいよオスは「ゴケコッォ~~」と慣れない雄叫びを上げるようになり、メスは卵を産むようになります。ここで完全にオスかメスかが「確定」します。

そしてこの少し前頃から、オスはあまりエサを食べなくなりメスにエサをあげるようになります。逆にメスは今までよりずっと貪欲にエサを食べるようになります。卵を産むために大量のエサを食べなければならないからです。

なお、成鶏になると、オスの場合は自尊心や自立心のようなものが芽生えて、あまり人になつかなくなります。むしろ自分の縄張り(テリトリー)に侵入してくる相手として敵視し始めることもあります。
逆にメスは「エサ」をくれる相手として人間の後を追うようになり、今まで以上にとても良く人になつきます。

ですので・・・・もしニワトリを譲渡して頂くような事がある場合は、この「5~6ヶ月頃」の鶏を譲って頂くのが一番だと思います。
その理由としてオスメスの間違いの心配が一切ないと言う事もありますが、なにより鶏の寿命は一般に10~15年位と言われていますが、メスが盛んに卵を産むのはおおむね2~3歳位までだからです。
その後は産卵率は下降して行き、歳を取ったメスは卵を産まなくなります。
ですので、卵を産ませるのが目的の場合は生後5~6ヶ月位の若いメスを入手する事が鉄則です。

これはオスも同様で、オスは大体5ヶ月目頃から交尾を始めますが、特に盛んなのは最初の1年位のみで、生後2年を過ぎる頃から回数はぐっと減ってしまいます。
ですので有精卵や繁殖が目的でオスを飼う場合は、やはり生後5~6ヶ月位の若いオスを入手するのが良いです。

ところで、群れの中のどのオスがボスになるかですが、これは少なくとも1年位は様子を見てみないと判りません。
半年目位で最初のボスが決まったりしても、その後に体格や能力面で他のオスに抜かれてしまい、途中からたびたび下克上があったりします。
また必ずしも「体の大きなオス=ボス」ではありませんし、「強いオス=良いオス」とも限りません。
体は小さくてもケンカが非常に強いオスはいますし、大きくても臆病なオスもいます。
またケンカは強くても賢くないオスは群れを統率できず、良いボスには成れません。


烏骨鶏の優秀なオス

賢いオスは

(1)絶対に人間をつっつかない(自分達の飼い主である事を良く判っている)
(2)メスの一羽一羽を常に非常に良く見ていて実に細かく世話をする(エサや交尾が平等)
(3)仲間のいじめや無秩序な行動に対して叱る(群れの秩序や規律を常に見張っている)
(4)外敵に対する警戒を怠らない(カラスの飛来や犬の声に真っ先に反応して警戒音を発する)

などなど・・・その賢さをたびたび見せ付けられ、実に感心させられる事が多いです。
頭のいいオスの場合、少なくとも「人間の3歳児位」並みの知能は充分にあるように思えてなりません。

実際、朝、鶏舎から鶏を外へ出す際に、普通のオスは我先にと外へ出て行きますが、賢いオスはすべてのメスが出たがどうか毎回良くチェックしていて、なかなか出ないメスや遅れて出たメスを叱ったりしています。
広場でも地面を掘ってミミズ等を探し出しメスに甲斐甲斐しく与えるのはもちろん、自分から見えない物陰でメスの悲鳴が聞こえたりするとすかさず走って行って何が起きたのか様子を見に行きます。
また、すべてのメスが有精卵を産むように常に驚くほど均等に交尾していますし、メス同士のケンカやイジメなどがあればすかさず割って入って仲裁しています。

逆に頭の悪いオスは、周囲にまったく無関心で常に自分の事しか考えておらず、「群れの営み」に役立つような事を何一つしようとしません。エサも交尾も無計画、しかも外敵の危険が迫るとメスを放って自分だけ真っ先に逃げてしまいます。
こう言うオスは群れの順位もかなり下の方です。


太陽の下で放し飼い!

ちなみに群れの中でのオスの順位ですが、一番よく顕著に判るのは「夜に鶏が寝る時」なのです。
オスのランキングは寝る時に止まる「止まり木の高さ」で判るのです。
ボスは必ず一番高い止まり木で寝ます。そしてサブボスクラスがその次に高い止まり木で寝て、他の順位の低いオスはさらに下の低い止まり木で寝ています。

これはなぜかと言いますと、睡眠中は完全に無防備になってしまいますので、鶏は少しでも高い止まり木で寝ようとします。止まり木が高くなるほど外敵に襲われにくく安全だからです。
ですので上になるほど競争が激しく、真の実力者でないと一番上の止まり木は確保できないのです。

メスも同様で、実力者のメスほど高い止まり木のボスの近くで寝ています。
一番高い止まり木のボスの隣の位置は、メスにとって最も安全な「特等席」だからです。ですので、一番上でボスの隣で寝ているメスは「メスのリーダー」である事が多いです。

もし自分より地位の低い鶏が上の場所にいるとしつこく突っついて落としてしまい、その場所で自分が寝ます。
実際に、驚く事にほとんどの鶏は毎晩ほぼ同じ場所で寝ています。

鶏はピラミッド型の秩序ある社会生活を営む生き物なのです。


放し飼いの烏骨鶏

そのような鶏の持つ「社会性」を考えますと、
個人で鶏を愛玩やペットとして飼うなら、数羽程度までが良いでしょう。

鶏は4~6羽程度なら人間に関心を持ち、とても良く人に馴れますが、
もし数十羽以上の多数にもなりますと、人の立ち入れない「鶏の社会」が出来上がってしまう感じがあり、あまり飼い主に関心を示さなくなり、やや人に馴れにくくなるように思います。



 
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