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オスのニワトリの鳴き声対策

時々、一般の方から、飼っているオス鶏の鳴き声がうるさくて近所迷惑になるので、良い防音方法を教えて下さいとご質問を頂く事があります。

一番良いのは「オスは飼わない」ことです。

当農園では「出来る限り極めて自然のままの姿で鶏を飼う」というテーマがありますので、オスの数も多くしていますが、もし一般家庭の方が住宅街で鶏を飼うなら、オスを飼うのは止めたほうが良いと思えてなりません。
なぜなら、ニワトリは早朝しか鳴かないと思っている方が多いようですが、実はオス鶏は一日中、二時間おき位に、やたらとけたたましく雄叫びを上げて鳴きます。

深夜2時頃に始まり、未明の4時頃、早朝の6時頃、朝の8時頃、午前中10時頃、昼の12時頃、午後2時頃、夕方の5時頃・・・それぞれ10~15分間は競争で鳴き続けます。
鳴かないのは日没から深夜12時位までの間だけです。この時間だけは良く熟睡しているようです。ですが、この間も何か物音がしたりすればすぐ反応し、やはり眼を覚まして鳴きます。

また、それら定番のコケコッコーの雄叫び以外にも、何かのきっかけがある毎に鳴き出し、好んで大騒ぎをしたがる傾向があります。
特にメスが産卵の前後に発する奇声に敏感に反応し、そのメスの産卵の合図の鳴き声に合わせて、待ってましたとばかりにすべてのオスが一斉に唱和するようにけたたましく鳴き出し、声を合わせての混声大合唱になります。
自然界で卵を産むたびに大騒ぎすればわざわざ外敵を呼び込んで危険な気がするのですが、不思議な事になぜか鶏にはそういう習性があるようなのです。

ですから、一般家庭でオス鶏を飼う事はかなりのリスクがあります。
楽しいはずの家庭養鶏が、オスの鳴き声がうるさくて、家族が睡眠不足になったり、近所から苦情が来たりでは、鶏を飼う事が負担になり、無用の気苦労でクタクタの苦痛になりかねません。
さらに、ご近所様にしてみれば「全くいわれのない騒音迷惑」に他ならない訳ですし、それでもしご近所様との人間関係まで悪化したりすれば、まったくの本末転倒です。

ですので、オス鶏をのびのびと飼える環境を持つ鶏好きな方へ譲渡するなどの対策が一番良いように思えます。
その方がオス鶏にとっても気兼ねなく鳴いて暮らせて幸せではないでしょうか。

実際、オスの雄叫びの様子を細かく見ていますと、全身を震わせながら「コッケコッコオ~~~!!」と力の限り天に向かって鳴き叫び、その後に「俺の魂のシャウトもなかなかのもの」とすっかり自己満足のご満悦に浸る様子を見ていますと、オス鶏にとっては雄叫びを上げる事が自己の存在意義(縄張りの主張)そのものであり、まさしく生き甲斐の一つになっているのは確かなような気がします。

長く飼ってしまうと、どうしても情が移りがちですので、譲渡するならなるべく早いうちに決断されると良いかも知れません。

しかし、もし、どうあっても譲れない強い理由があってオスを飼いたい場合には「オスは一羽だけ飼う」ことです。
なぜなら、二羽以上のオスがいますと、エサやメスを奪い合ったり、ケンカして暴れたりするうえ、一羽が雄叫びを上げると、他のオスもライバル心をむき出しにしてより大きな声で競争で雄叫びを上げ始めるからです。
まさに力を振り絞って順番に雄叫びを上げ続けるのですから、深夜2時頃にこんな事をされてはたまったものではありません。
ですから、複数のオスがいると一羽だけの時よりも加速度的に遥かにうるさくなります。

実際に多数のオスがいる当農園での対策方法ですが、夜は全てのオス鶏を自作の「防音小屋」に入れています。
そして朝に防音小屋から出すようにしています。

ニワトリ防音小屋

当農園の「にわとり防音小屋」の略図です。
図では鶏の出入り口が省略されていますが、だいたいの構造は判って頂けるのではないでしょうか。
ポイントは以下の通りです。

(1)床はなく直接地面になっている事。
この防音小屋は、厚さ12mmのコンパネを組合せて木ネジで結合して作ったものです。
ペンキは塗ってありますが、雨避けのため鶏舎内(屋内)に設置してあります。
寝ている間も糞や尿が出ますので、床はなく、下面は直接鶏舎内の地面になっています。
なお、ここで注意したい事は板の接合部や入口扉等に「隙間を作らない」ことです。なぜなら「音はどんなにわずかな隙間からでも漏れる」性質があるのです。
ですので、鶏の呼吸用の換気穴以外は完全密閉するつもりで作ります。

(2)天井に波型の吸音スポンジを貼る事。
硬いコンパネ板で作った密閉小屋は、中で音が反響し続けます。反響した音は小さな換気口からでもしっかりと漏れますので、そのままでは全体の防音効果がどうしても低くなります。
その解決策として、オーディオルームなどに使われる非常に吸音性の高い波型スポンジ素材を天井全面に貼ります。当農園の防音小屋では市販品の中でも一番効果の高い60mmの厚手の波形プロファイルを使っています。この波型に大きな消音効果があるのです。
その効果は絶大で、特に耳障りな高音域が吸収されますので、まさに「防音小屋」と呼ぶに相応しい性能になります。
実際に、オスの雄叫びは当農園の防音小屋に入れると、体感的には20分の1位に小さく聞こえます。
波形吸音スポンジは安くはありませんがぜひ使う事です。当然、貼る面積は広いほど良いです。
ネット検索すればショップが沢山ヒットします。

(3)バーベキュー用の大型の金網を設置する事。
天井に貼る波型の吸音スポンジですが、そのままでは鶏がスポンジをつついてむしって食べてしまいます。ボロボロになって吸音効果が減少しますし、鶏の健康にとっても好ましくありません。
ですので手前に金網を張ることで防止します。
また、この金網は夏季の冷房としての凍結ペットボトルの置き台にもなります。

(4)アクリルガラスの窓を設置する事。
箱の中が真っ暗になってしまうと鶏の体内時計が狂ってしまう気がします。
また、全く外が見えない事は鶏のストレスにもなります。ですので、日の出の時間や外の様子が判るようにアクリルガラスの窓をつけてあります。
ガラスだと割れてしまいますが、アクリル板は水槽などにも使われるもので、とても衝撃に強くて滅多に割れません。
当園では板厚10mmの厚めのものを使っています。薄いと防音効果が弱くなります。
ネットで検索すればいくつかのアクリルガラスのショップが見つかります。
なお、もしアクリルガラスの窓を作るのが面倒であれば、換気用のスリット穴でも多少は代用になります。

(5)換気口は横長にスリット状に複数の面に開ける事。
換気口は大きすぎると鳴き声が漏れてしまい防音効果が薄れますが、小さすぎると鶏が窒息してしまいますので、入れる鶏の数や箱の大きさで調整します。
横長にスリット状に開けると、開口面積の割に鳴き声が漏れにくくなる気がします。
また、夜に鶏は座って寝ますので、穴の位置は座って寝る鶏の口の高さに合わせると、小さな穴でも給気効率が良くなります。
なお、大切な点は最低でも二箇所以上の面に換気口を開ける事です。一箇所だけですと、もし何かの板が倒れて来たり布がかぶさって来たりしてその穴が塞がれてしまったり、抜けた鶏の羽で穴が詰まったりして、何かのトラブルでそれが塞がってしまうと窒息してしまいます。

(6)夏の高温対策を絶対に行う事。
もともと鶏の体温は40℃近くもある事もあり、暑い夏に狭い防音小屋の中に沢山のオスを詰め込むと、中の気温がどんどん上昇し、そのままでは中の鶏が死んでしまいます。
そのため、春、秋、冬は日没一時間後位にはオスを防音小屋へ入れていますが、夏だけは少しでも気温の下がる深夜の12時頃まで待ってから、すべてのオス鶏を防音小屋へ移すようにしています。
しかし、それでも盛夏の夜や熱帯夜の時などは気温があまり下がらず非常に危険ですので、水を入れてカチカチに凍らせた1500mlのペットボトルを金網の上に数本入れています。これが入ると中が冷気でヒンヤリとしてとても良い冷房代わりになるのです。
コツはコーラやサイダーなどの強炭酸飲料用の肉厚の丈夫なペットボトルを使う事です。ウーロン茶やミネラルウォーター用のペットボトルは肉が薄いので凍らせると破損しやすいのです。
また、凍ると体積が増えて口からあふれるので9分目程度に水を入れます。
なお、500mlなどの小さなペットボトルでは2~3時間ですぐ溶けてしまいますので、保冷の持ちの良い1500mlの大きな物を使います。それですと当農園の場合は大体6~7時間はもちます。

なお、夏の暑さ対策として換気扇やスポットクーラー等の設置も検討したのですが、オス鶏の抜羽は想像以上に大量で、中で動き回るとホコリも沢山舞い上がるため、換気扇やクーラー等の機械類は詰まったり故障したりが考えられます。
さらに、夏に多い落雷で万一でも深夜に停電になった場合、換気扇やクーラーは停止し、知らないうちに防音小屋の中の気温が一気に上昇してしまうため、かなり危険です。
ですので、原始的ではありますが、最も安全確実な氷結ペットボトルになりました。
当農園には業務用の大型フリーザーがあり、一般の家庭用の冷蔵庫よりもかなり低温の-20℃位に冷やせますのでペットボトルもカッチカチに強力に凍らせる事ができています。

また、昼間に鶏を外の運動場へ出している間は、防音小屋内部の悪臭と湿気避けのため、必ず扉を全開にしてよく換気します。
特に密閉された小屋内部は鶏の尿による湿気で想像以上に蒸れますので、内部にカビが生えないように日中によく乾燥させる必要があります。

三ヶ月もすればオスも判るようで、夜に防音小屋の前へ置くと「やれやれ」という態度ですが自分から防音小屋へ入るようになりました。
また、場合によってはオス同士が中でケンカをしないよう金網などで仕切りを入れる事も必要です。狭い防音小屋では弱いオスは逃げ場がないため悲惨なことになりかねません。
一番のポイントは何より高性能の波型の吸音材を入れる事です。入れないと反響音が凄くて防音効果は低いです。

また、もし費用的に波型の吸音材が無理な場合は、古くなった「厚手の毛布」や「厚手のじゅうたん」も非常に高い吸音効果があります。
これらで箱の内側全面をスッポリと覆えば、オス鶏の鳴き声はほとんど外に漏れず、想像以上に驚くほど静かになります。
ただし、その場合も十分な換気口を設けることは絶対に忘れないで下さい。
特に毛布やじゅうたんは、よほどしっかり念入りに完全固定しないと、時間の経過や鶏との摩擦と共に必ず「たれ下がり」ますので、たれ下がり等によって命綱の換気口をふさいでしまわないよう十分な注意が必要です。


防音対策法は以上ですが、これらはあくまで当農園での一例です。
当農園では成功し安全でも、鶏の体質や気候風土が異なれば失敗や危険になりかねません。
ですので、大変恐縮ですがもし防音小屋を作成して鶏を入れる場合は、あくまで自己責任にてお願いいたします。


ちなみに、騒音や悪臭のトラブルは、加害者には自覚がない事が多いような気がします。
自覚しているつもりでも、被害者の気持ちの1~2割も判っていないケースがほとんどだと思います。

住宅地やマンションで、犬や猫や鶏を飼うことについて、自分に都合の良い理由をつけようとすればいくらでもどんな理由でもつけられますが、ペットの鳴き声や臭いやイタズラ行為は、飼い主である自分は我慢できても、無関係な他人には到底我慢できないものです。

特に深夜の鳴き声は、近隣の安眠妨害にとどまらず、赤ちゃんが発育不良になったり、受験生が不合格になったり、睡眠不足による自動車事故の原因になったり、重病人の方の病気が悪化したりと、まさに他人様の人生さえ狂わせかねません。

少なくとも鶏の場合、メス鶏だけなら実に穏やかで大人しく、とても平和で可愛いものです。
やはり、住宅地での一般家庭の場合は、一番良いのは「オスは飼わない」ことだと思います。


どうか、鶏を「ご近所の悪者」にしないで欲しいと願ってやみません。


 
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